カロリーナ・サンチェス日本スピーキングツアー

3月15日 

「グァテマラの先住民族女性と複合差別」

宝塚まいたに人権文化センターにて

宮前綾子・(財)大阪府人権協会

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 IMADRグァテマラプロジェクト・複合差別プロジェクトチーム主催のグァテマラ先住民族女性・スピーキングツアーの一環として、3月15日に宝塚のまいたに人権文化センター学習会が開かれた。マイノリティ女性が抱える問題解決プログラムが主催したものだった。

 カロリーナに初めて逢った時の、はにかんだようすと、学習会になって自分のことを語る彼女の瞳の強さが印象的だった。

 私のグァテマラとの出逢いは、数年前の『勇気の架け橋』という本からだった。読み終わったあと、とにかくこわいという感情と、こんな理不尽が許されているショックと、その中でも生きている人たちのすごさが強烈に残った。

 その地から実際にやってきた彼女から話を聴いて、やっぱり家庭でも社会でもしんどさのしわ寄せは女性にくるんだなぁ、と改めて感じた。彼女の言葉の中でも印象に残ったのが、「痛いと思ったら言わなくちゃ」だった。彼女は16歳の時からコミュニティの若者グループで活動をはじめ、さまざまな活動を続けている。

 家族や友人や近所など、女性はそういった活動に関わることをよく思わない人は多く、困難なことも多かったようだ。それでも活動を続け、将来は教師になりたいと眼を輝かせて話す彼女に、すごさを感じた。

 そして、あぁーあと溜息が出る現実でも私もがんばらなくちゃ、と背筋が伸びたような気がした。聴いた話があの会議室の空間だけで終わらないよう、つながっていくことをさがしていこうと思った。

 また学習会では、時間の許す限り質疑が行われた。質問の一つに「(カロリーナの)これまでの家庭環境の中で"これではいけない"と思うようになったきっかけは?」というものがあった。彼女は、「出稼ぎに行かなくてもみんなで食べられるように。共同体が共同体として生きていけるように」と話していた。

 これは、彼女自身が出稼ぎに行って好ましくない待遇を受けた経験からもくるということだが、「個」を大切にしようとする先進国と、コミュニティを大切にしようとする彼女のめざす方向の違いはおもしろいと思った。

 また、ある質問で「(プロジェクトや運動の方向として)マジョリティや力を持っている者に働きかけることも大切では」というものもあった。それに対してIMADRや参加者の中から、「その前にまずコミュニティが力をつけること、コミュニティが力をつけることを大切にしている。しかも、若者が内側から…」という意見が出た。

 もちろんマジョリティ(外部)に対する働きかけも大事だと思うが、こういったことは被差別部落や在日、日本社会を考える上でもすごくたくさんの意味を含んだものだと感じた。組織とか誰かのためといったしがらみではなく、まず「わたし」としてどう成長していくかを掴もうとしている人はつよいだろうし、そんな人が集まって(コミュニティとして)何かをしようとした時の力はしぶといものになるような気がした。

 他にも考えさせられたのは、言葉(母語)や民族教育の話だった。彼女の村はグァテマラでめずらしく母語ではなくスペイン語を話しているそうだ。民族言語を話しているのは祖父母の世代まで、と話していた。また、参加者から在日がおかれている状況の話も出た。

 私はいま識字・日本語を学ぶ教室にパートナーとして参加している。そこに来る人たちの中には、子どもと一緒に日本にきて(あるいは日本で子どもを産み)子どもは日本語ができるけど、親は話せず家族で(学校との)コミュニケーションがとれなかったり、子どもが自分の親を恥ずかしいと思ったりするということを聴いてきた。

 そんな話を聴くたびに、在日の状況と同じだ思った。言葉ということがいかにいろんなことに影響するか考えさせられた。

 最後に…こういった場をつくってくださったプロジェクトメンバーのとてもとても感謝をしています。ラジオ局づくりが、成功することを祈っています。

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