「先住民族とコモンズ」連続合同学習会第4回 2006年6月17日 アイヌ文化交流センター テーマ:「先住民族の伝統的知識と森林管理〜英領インドにおける「トンギヤ」制度を中心に」 発題者: 木村真希子 記録: 藤岡美恵子 今回は、インド北東部や周辺地域で19世紀から行われている森林管理法「トンギヤ」が、 先住民族の伝統的知識の維持や自律性確保につながっているのかどうかをテーマに報告をきいた。 「トンギヤ」制度の概要やフィールドワークを行っている村の概要などについてレジュメに沿って説明(レジュメを参照)。 その後、隣接するバングラデシュのチッタゴン丘陵での共有林管理システムについてのビデオ上映。以下は主だった質疑応答。 Q: 先住民族が伝統的に行っていた移動耕作の形態人口動態の変化について。 A: 村は定住したまま耕作地を変えるもの、居住地ごと移動するものの両方ある。人口の減少はない。 Q: 政府による統治とそれに対する先住民族の対応について。 A: イギリスの植民地時代から、森林地では住民の排除、平野部では耕作のため人の移住を促進(税収確保のため)という統治法。山岳地域ではvillage forestという共有林地域が残っているところもある。 共同体の首長は、平野部においては政府や市場に抗して一定の自治を守る役割を果たしているというよりも、 行政との橋渡し役に傾きつつあり伝統的な役割は後退。山岳部においては一定の自治を保っているところもあるようだ。 Q: 調査地での「トンギヤ」制度は先住民族の伝統的知識の応用といえるのか? A: チーク植林を上から押付けたもので、元来先住民族がもっていた伝統的知識とは異なる。 Q: 野生生物保護区の指定(1978年)の先住民族への影響について A: 野生生物保護区は自然保護の流れを受け、1972年の法改正以降、全インド的に広がる。 保護区内の住民の意思を無視して決定。先住民族が不利益を被っており、環境保護団体との対立もある。 Q: 土地権は?土地の私有化はどう進んでいるのか? A: 保護区であるため土地は政府の所有。住民は耕作許可をもつのみ。周辺からの移住者が先住民族の入会地に不法侵入、実態的に占有。 それに対し政府は何も対策をとらず。一方、山岳部では開発の推進のために政府が私有化を進めている(例―移動耕作をやめさせるために果樹栽培を奨励。 その際に土地を私有化。しかし住民は果樹経営に失敗、借金を負い、土地を売る羽目に)。