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5月27日まで開催される、先住民族に関する国際的な議論(先住民族常設フォーラム)のためにニューヨークに集った先住民族の代表たちは、国際的な開発経済援助機関に対し、その資金援助を彼/彼女らの土地、資源および伝統的文化の権利を保障する貧困撲滅戦略のために向けなおすよう訴えた。
国連と世界銀行は「絶対的貧困」を「一日あたり1ドル以下の生活」と定義しており、その貧困削減プログラムは所得増加に力点を置いている。
しかし、先住民族常設フォーラムの新議長ビクトリア・コープスによれば、「生活に必要なものをほとんど自給自足している先住民族にとって、貧困は所得の問題というよりも、伝統的な生活スタイルの喪失に結びついている」。「先住民族の絶対的貧困や飢餓の問題とは、先住民族が領土や資源をますます失うようになり、伝統的な食物生産と生活様式を行い続ける能力が奪われつつあることと、ほぼ同じ問題なのである」。5月16日(月)から5月27日(金)まで開催される第4回先住民族常設フォーラムにおいてコープスはこのように述べた。
常設フォーラムは16人の代表で構成され、そのうち半分は先住民族団体から、残り半分は国連の加盟国から選出される。フォーラムは(2002年以降)毎年開催され、先住民族が直面する問題を検討する。そして国連活動のなかに先住民族問題をいっそう統合するために、経済社会理事会に対して勧告を提出する。
「現在主流となっている開発計画は、先住民族の貧困を生み出す原因のひとつとなってきた」と、コープスは論文のなかで述べている。「より具体的な貧困の原因としては、工業部門全体による資源搾取や巨大建造物建設プロジェクトだけでなく、化学薬品漬けの農業・植林事業、さらには政府による環境保護地域の指定さえもが含まれる」。また、「伝統的な土地と資源からの疎外は、先住民族がさまざまな資源を分かち合ってきた伝統的なつながりを破壊し、最終的には先住民族の貧困を増加させることになる」。
「このサイクルは、先住民族に影響を与える開発計画に彼/彼女らを参加させ、統計上の一般国民人口から先住民族を切り離すことによって止めることができる」とコープスは提案する。「民族別統計データ処理が緊急を要することは、これまでの常設フォーラムの全セッションを通じて最も重要な提言のひとつとなっている」。
国連ミレニアム開発目標のレポートのなかでは、先住民族の問題は常に「国民の平均データのもとに隠されてきた。レポートは(先住民族など)特定の集団の、(一般国民とは)異なった現実を反映していない」。常設フォーラムによると、富める国、貧困国双方を問わず、世界に存在する3億7千万人の先住民族のほとんどが貧困の状態にある。
ユニセフの最近の報告によると、グァテマラにおいて貧困状態にあるのは、非先住民族が54%であるのに対し、先住民族においては87%であり、メキシコにおいては非先住民族が18%、先住民族は80%にのぼる。同じく、ペルーにおいては非先住民族50%に対して先住民族70%であり、ボリビアでは非先住民族48%に対し、先住民族64%である。
国連の計画では、2012年までに世界の絶対的貧困と飢餓を半減するという「第一次ミレニアム開発目標(MDGs)」に数十億ドルの資金を投入することになっている。
ミレニアムプロジェクトのディレクター、ジェフリー・ザックスは常設フォーラムで、「国連は目標を達成するために、プログラムの策定段階への先住民族の参加を強く勧める」とし、さらに「いくつかのプログラムは特定の地域に割り当てられている」、「このアイデアは融資を各コミュニティの特定のニーズに合わせることにある」と述べた。
ザックスによると、MDGsに直結した「ミレニアム村落イニシアティブ」では、特定の地域は広範囲にわたるプログラムを実施する前に村落単位の試験を行うことができる。それは当該コミュニティにおいて、どの戦略が環境的に持続可能な方法でその基本的ニーズを満たす最善策となるかを判断するためだ、とされている。
さらにザックスは、「MDGsの貧困削減計画は、世界銀行の貧困削減モデルがおかした失敗をくり返さないだろう」と付け加えた。「世界銀行の貧困削減戦略文書
(PRSPs)――国家が世銀から融資を受け取るために作成を義務付けられている文書――は、その計画策定段階において先住民族を参加させていないだけでなく、『大胆さ』と『適切な融資』という要素を欠いている」。
しかし世界銀行は、先住民族のニーズによりよく対応するために銀行側も苦労を重ねていると表明した。世界銀行の先住民族問題調整官ナビン・レイによれば、国際開発融資機関である世銀は、「開発計画の過程において、先住民族の尊厳、権利、そしてその特有性に十分に配慮し、尊重するよう対応し始めている」。
5月10日、世界銀行理事会は先住民族に関する新政策を承認した。「新政策は開発における先住民族の参加を促進し、先住民族の土地、資源、アイデンティティ、そして文化に関する権利保障の必要性に関する認識の高まりを反映している」とレイは述べた。
今後、世界銀行は「自由で、事前の、そして十分に情報開示された協議」を有し、「(当該開発計画によって)影響を受ける先住民族のコミュニティの広範な支持」を得たプロジェクトだけに融資すること、また世界銀行は現在、先住民族に関連する237の開発計画に融資し、2008年会計年度までにはさらに97のプロジェクトを増やすつもりである、とレイは付け加えた。
一方、国連事務次長のルイーズ・フレシェットは、「国際法も先住民族の権利保障に役割を果たすことができる」とフォーラム出席の代表者に伝えた。
「国際法レベルでは、加盟国は先住民族の権利宣言(草案)を採択していない」とフレシェットは述べる。1989年に採択された先住民族の権利ILO第169号条約も、差別なく人権と基本的自由を完全に享受する先住民族の権利を支持している。しかしいまのところ、この条約を批准している国は世界で17カ国に過ぎない。
【翻訳=田宮代子・中野憲志】
この文章は、インター・プレス・サービス(IPS)に掲載されたDEVELOPMENT: Indigenous
People Say Global Model Has Got It Wrong by Niko Kyriakouの全訳です。
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