国連の人権制度が、存在している人権問題に即して有効に機能するには、草の根レベルの当事者の声や状況が議論に反映されることが不可欠です。これまで、IMADRは主に、国連人権委員会やその下部機関である国連人権小委員会、付随する作業部会などに参加し、レポート(英文)を作成するとともに、他の国際人権NGOと共同、また独自の発言や声明を通じて、「職業と世系に基づく差別」の国際的認知、人権教育、マイノリティの権利、人身売買の撤廃、スマトラ沖地震による津波被災者やスリランカにおける紛争被災者の人権保護など、IMADRの活動テーマに基づくさまざまな問題提起を行なってきました。
国連改革の一環として、国連人権委員会が2006年に任を終え、新たに設置された人権理事会に引き継がれました。それにともない、人権理事会では現在、人権委員会から引き継がれた手続きや制度の見直しがなされると同時に、新しいシステムの構築が行なわれています。これを受けて、IMADRは、新たな制度が、NGOやマイノリティ当事者の声を議論に反映させるものになることを求めるはたらきかけにも活発に取り組んでいます。
2007年9月28日に閉会した人権理事会第6会期(前半)で、マイノリティ・フォーラムの設置を定めた決議が採択されました。IMADRは、マイノリティ・ライツ・グループ(MRG)とともに、マイノリティの声を反映する場の維持を呼びかけてきており、この決議採択を歓迎するとともに、今後の動きに注目しています。
また、IMADRは、人権理事会のもとで新しく構築された普遍的定期審査制度(UPR)の活用にむけた活動をしています。この制度は、すべての国連加盟国の人権関係の義務・公約の履行について国連人権理事会が定期的に審査するというもので、4年間を一周期とし、192の国連加盟国すべてが審査対象となります。
国連人権理事会の新たな制度である「普遍的定期審査(UPR:Universal Periodic Review)」制度(国連加盟国192カ国すべての、人権関係の義務・公約の履行について国連人権理事会が定期的に審査するという制度)により、日本の人権状況が審査対象となっています。国際連合欧州本部(ジュネーブ)において開催されているUPR作業部会第2会期(2008年5月5日~16日)において、5月9日、日本の人権状況に関する審議がなされました。同作業部会は、5月14日に日本に関する審査の報告書を採択する予定になっています。IMADRは、同作業部会にスタッフを派遣して参加しており、この動きを受けて以下のコメントを発表しました。
2007年9月28日に閉会した人権理事会第6会期(前半)で、マイノリティ・フォーラムの設置を定めた決議が採択されました。
日本はUPRの第二セッション(2008年5月5日~16日)で審査されることが決定しており、IMADRはそれにむけて国内のNGOへの情報周知などの取り組みを進めています。
さらに、人権小委員会を引き継いで新たに構築され、現在編成が進められている人権理事会諮問委員会の動向にも注目しています。関連して、職業と世系に関する特別報告者の任務や、これまでの活動の成果が今後も人権理事会で活かされるよう働きかけています(詳細はこちら)。