ダーバンレビュー会議にIMADRが参加~声明発表、「職業と世系に基づく差別」でワークショップ開催

2009年4月20日から24日まで、ジュネーブの国連欧州本部で「ダーバンレビュー会議」が開催されました。これは、2001年の反人種主義世界会議(南アフリカ・ダーバン)で採択された「ダーバン宣言と行動計画」の実施状況を見直し評価することを目的としたものです。

政府間会議と並行して、国連本部内でNGOのサイドイベントも多数開催されました。IMADRも理事長をはじめ4人の役職員を派遣し、本会議のモニター、NGOとしての意見表明を行なったほか、「職業と世系に基づく差別」に関するワークショップを主催しました。

このワークショップでは、日本の部落差別、インドのダリット差別などを中心とする被差別コミュニティの現状、自律的な闘い、特に国連を視野にいれた今後の課題などが報告・討議されました。人種主義に関する国連特別報告者と女性に対する暴力に関する国連特別報告者の参加を得ることができ、非常に示唆に富んだ発言を受けました。

2001年の会議ではインドから多数のダリットNGOの代表が送られ、日本の部落代表団とともに「職業と世系に基づく差別」が人種差別の1つの形態であることを広くアピールし、世界的に認められる契機となりました。しかし、ダーバン会議で採択された宣言と行動計画からは「職業と世系に基づく差別」あるいは「カースト差別」「部落差別」に言及する文章はすべて削除され、世界に2億6千万人いるといわれるこの差別の被害者、および関連NGOをはじめとする国際世論から大きな批判を受けました。

あれから7年以上が経過し、その間、部落差別やカースト差別をとりまく状況はさまざまなレベルで変化を遂げてきました。また、人種主義全体をとりまく情況から見れば、ダーバン会議直後の9・11と高まる一方のイスラム嫌悪、それに同調するような移住者・外国人に対する嫌悪と排除、世界同時不況により加速される人種主義の台頭など、その後、世界における人種差別の問題は大きな挑戦を受け続けてきました。

ダーバンレビュー会議ではそうした現実を踏まえた見直しと評価がなされるべきでしたが、最終的に採択された成果文書とその協議のプロセスに対しては、IMADRをはじめ多くのNGOから失望と批判の声があがりました。IMADRでは、「職業と世系」に基づく差別にダーバンレビュー会議がはっきりと言及しなかったことへの遺憾の念を表明し、ダーバンレビュー会議の成果文書の実施を促す、などの内容を盛り込んだ声明文をダーバンレビュー会議に提出するとともに、会議最終日の24日には、NGOとして本会議で発言を行ないました。

*IMADRがダーバンレビュー会議に提出した声明へのリンク: 日本語版  英語版

2009年05月07日

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