日本での活動

日本での活動

80年代以来、アジアをはじめ世界各地からの移住労働者の主要な受け入れ国の1つであり、人身売買の「受け入れ大国」と言われる日本。近年ようやく、性産業へと送り込まれた女性や子どもが受けている搾取や人権侵害について認識されるようになりました。しかし、制度や政策の面でも人びとの意識の点でも、課題は多く残されています。IMADR-JCは、日本へと人身売買された人々、特に女性たちや子どもたちの人権と安全、エンパワメントのため、次のような活動を行なっています。

人身売買禁止ネットワーク(JNATIP)の運営と活動への参画
IMADR-JCは、日本全国のNGO(女性団体、人権団体、被害者支援シェルターなど)や法律家、研究者による「人身売買禁止ネットワーク」(JNATIP)の運営と活動に積極的に参画しています。他の参加団体と共に、被害者の人権と安全を守る法整備を求めて、各政党・国会議員や政府に働きかけてきました。2005年、刑法に人身売買罪が導入されたのもその一定の成果といえます。JNATIPでは引き続き、法整備を求めての働きかけのほか、日本における人身売買の被害者への実態調査や、人身売買問題への社会的関心を喚起する啓発活動などを行ってきています。

国連特別報告者の招へい
移住者の権利や人身売買に関する国連特別報告者を招へいするなど、国際人権基準・制度の活用を通じて現状を改善していくための取り組みを行っています。その際、被害女性を支援するシェルターをはじめ、日本で人身売買や移住者の問題と取り組んでいる様ざまな団体や個人と共に活動することを通じて、ネットワークを広げています。

2005年2月には、移住者の人権に関する特別報告者(当時)のガブリエラ・ロドリゲス・ピサッロさん、同年7月には、人身売買に関する特別報告者シグマ・フーダさんを、他のNGOや学術機関と共に招へいしました。両特別報告者はそれぞれ、日本滞在中、関連するテーマのシンポジウムやセミナーに講師として参加したほか、政府関係者や弁護士会、NGOとの懇談や当事者からの聞き取りなどを行い、日本での人身売買や移住者を取り巻く状況について情報収集を行いました。フーダ特別報告者の日本訪問は、同特別報告者による2006年の年次報告書でも言及されました。

 

連続講座の開催
2005年12月から2006年9月にかけ、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センターとの共催により、8回にわたる連続講座「グローバル化の中の人身売買」を都内で開催しました。講座は、搾取的移住としての人身売買を生みだす構造に迫り、人身売買された人びとがその過程で直面する諸問題に光を当て、日本社会に生きる一人ひとりに何ができるかを考える機会しようと企画されました。「人身売買の背景にある新自由主義グローバル化・人種主義・南北問題を、送り出し国の視点から考える」「人身売買された人びとの来日前、帰国後または日本への定住後につながる問題を考える」「取り締まり強化ではない解決の道を考える」「性産業への従事以外の形態の人身売買・搾取的移住を考える」の4点に留意しつつ、当事者の自助活動や支援の現場で活躍されている方々、もしくは現場と緊密に接している研究者を講師に招き、それぞれの経験と観点から語ってもらいました。その成果はIMADR-JCブックレット12『講座 人身売買』として出版されています。

草の根当事者のエンパワメントを側面支援
上に述べたJNATIPの活動や、国連特別報告者の招へいなどを通じてつながった草の根の運動を、側面から支える活動も行なっています。

移住女性の自助組織である「カラカサン―移住女性のためのエンパワメントセンター」のメンバーの方々を上記の連続講座に講師として招いたのが縁で、ドメスティック・バイオレンスを乗り越えたフィリピン女性たちの体験をつづった書籍をカラカサンと共同編集する企画が実現し、IMADR-JCブックレット11『移住女性が切り拓くエンパワメントの道』として出版しました。

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