TOP > IMADR/IMADR-JC声明・アピール・要望書 > IMADRarchive > コソボにおけるロマ・マイノリティの状況を憂慮する国連事務総長に対するアピール

コソボにおけるロマ・マイノリティの状況を憂慮する国連事務総長に対するアピール

ニューヨーク、2000年11月28日

国際連合事務総長
国際連合
ニューヨーク州 ニューヨーク市 10017

事務局長殿

ニューヨークで開催された第12回反差別国際運動(IMADR)理事会において、数ある問題の中でもとりわけ検討されたことは、コソボにおけるロマ・マイノリティの憂慮すべき状況であります。結果として理事会は、重大な懸念を示すとともにコソボでのロマの安全と無事を確保するための効果的な手段を求めることを目的として、貴殿にこの通信を書くことを決定いたしました。

IMADRは国連経済社会理事会との協議資格をもつ国際的なNGOであり、日本、他の西東・南アジア諸国、ヨーロッパ、北アメリカ、ラテン・アメリカ、アフリカにある各地域委員会と個人会員で構成されています。

IMADR理事会は、ロマニ・ロゼ氏(理事会の一員、ドイツ・スィンティ・ロマ中央委員会議長)から報告を受けました。ロゼ氏はドイツ外務大臣と協議してからコソボへ視察に行き、現地でUNHCR(国連難民高等弁務官)やUNMIK(国連コソボ暫定統治ミッション)を含めた様々な筋から重要かつ適切な情報を入手されました。

報告されたコソボでのロマの人権侵害には、彼らの生活や財産を脅かすような激しい攻撃、彼らの住居や居住区域からの追放も含まれています。アルバニア系・セルビア系両勢力のナショナリストや過激派加害者によって、銃撃されたり、殺害されたりしているため、ロマは絶え間ない恐怖と脅威の下で生活を送っています。

コソボに住んでいた15万人以上のロマは、800年以上もマイノリティとしてこの地域に統合されてきましたが、わずかに4万人が残されているだけです。彼らの安全は著しく脅かされています。

この点についてIMADR理事会は、人種差別撤廃委員会により2000年8月16日に採択され、12の目的からなる「ロマに対する差別に関する国連勧告ⅩⅩⅦ」に留意しています。

差別をなくし、ロマの安全と無事を確保するためには、人種的動機に基づくロマにたいする暴力行為を防ぐための対策(警察や検察官による迅速な行動、そのような行為への司法上の捜査や処罰)をとらなくてはなりません。そして犯人を確保するために公務員や他の人々がそれらを行わなかったとしたら、ある程度の無事すら享受することができません。

IMADR理事会は、第二次世界大戦中にナチスによって行われた国外追放や絶滅政策により、ロマが重大な災厄にその身を投じさせられた深い悲しみを思い出さずにはいられません。国際連合をはじめとするすべての関係各所がコソボでの職務を貫徹することにより、新たなジェノサイドの実行を妨げなくてはなりません。

事務局長殿、IMADR理事会は、コソボのロマの祖国への権利を尊重および保障し、彼らの安全と無事を確保し、社会・文民統治再建のためのありとあらゆる中央・地方公共団体への参加の機会の平等を確保するために効果的な対策をとるために、安全保障理事会、国連コソボ暫定統治ミッション、国連人権高等弁務官を含む権限のある諸機関に対して、私たちの憂慮をお伝えいただくことを訴えます。

私たちは貴殿の至急の援助と協力を期待しております。貴殿に直接、または密接な協力関係にある方々に私たちの代表団がこの件についてのより詳細な説明をさせていただければ幸いです。どうか宜しくお願いいたします。

IMADR理事長・ニマルカ・フェルナンド
IMADR事務局長・武者小路 公秀

 

過去の声明文

 

メールマガジン

  • メールマガジン「IMADRインフォメーション」

 
    
メールマガジンは「まぐまぐ!」のシステムを利用して配信されます。