「スリランカ復興開発に関する東京会議」の開催にあたり、下記に署名する日本のNGOは、スリランカにおける一日も早い平和の実現への強い期待を表明するとともに、和平プロセスに関与する関係各国ならびに諸国際機関による現在までの努力に強い支持を表明します。
私たちは、東京会議を実現に導いたスリランカ政府、そして会議の共同議長を務める米国、欧州連合(EU)、ノルウェー、そして日本の政府、関係国際機関、スリランカのNGOの努力を高く評価し、感謝の意を表明します。私たちは、東京会議において、それら関係者の努力が、スリランカの復興開発に向けた国際社会による支援策の検討だけにとどまらず、そのような支援を通じて和平を実現する結果をもたらすことを強く望んでいます。
そして、20年におよぶ紛争によって生活基盤、社会基盤を破壊された人びとが和平の成果を実質的に享受できること、それによって平和と復興開発のプロセスが一層強固なものとなることを切望し、私たちもそのために力を尽くしたいと思います。
私たちは、スリランカにはさまざまな民族的、宗教的および地域的背景が存在し、平和構築および復興開発のためには、それらの複雑な背景を十分に考慮した上でのニーズ把握や、スリランカの多様なNGOや草の根の住民組織との協働が欠かせないと確信しています。
その意味において私たちは、東京会議に向けてスリランカの市民社会およびNGOが行なってきた努力を高く評価するとともに、東京会議においてその声が十分に検討され、国際社会の意思決定に反映されるよう希望するものです。私たちはまた、日本のNGOとしてスリランカの平和構築ならびに復興開発に関心を寄せてきた経験から、東京会議において以下のことがらが十分に考慮され、スリランカの人びとにとって有効かつ持続的な支援を提供するための方針が導かれることを強く希望します。
1.人びとを中心にすえ、多様で十分な参加を可能にすること
私たちは、スリランカの人びとこそが和平と復興開発の過程におけるあらゆる措置の受益者であり、主要なアクターであることが確認されることを望みます。また、それを可能にするために、和平プロセスと復興開発における政策決定、履行、モニタリングにおいて、市民社会や草の根の住民組織、地域基盤の組織、 NGOが代表されることが重要であると考えます。私たちはまた、スリランカの市民社会やスリランカの復興開発、平和構築に関与するNGOが、その活動を行なう十分な能力を備えることができるようにするために、国際社会によって必要な資源が適正に配分されるべきだと考えます。
2.民族その他のすべての社会構成集団に対する平等な利益配分と平等な参加を保障すること
私たちは、和平と復興開発のプロセスにおいて、スリランカのすべての社会構成集団が平等に処遇され、利益が平等に与えられるべく、適切なバランスが確保されることが大切であると考えます。同時に、すべての社会構成集団によるプロセスへの平等な参加も保障されることが重要です。とりわけ、少数民族、宗教的少数者、女性、地方住民が平等に処遇され、できる限りプロセスに参加できるよう十分な配慮がなされることを強く望みます。
3.ジェンダーの視点を取り入れた政策実施と女性の参加を保障すること
私たちは、和平、復興開発のプロセスにおいて、ジェンダーの視点を取り入れた政策が重要視されることが大切であると考えます。同時に、女性たちがこのプロセスにおいて実質的な役割を果たすことができるよう必要な措置がとられ、また、女性団体がその活動を行なう十分な能力を備えることができるようにするために、必要な資源が適正に配分されることを望みます。
4.人権の保護と伸長を平和構築、復興開発の基盤にすえること
私たちは、東京会議が、人権の保護と促進のための新たな制度や機関を設立するためのよい契機となることを期待します。その際、スリランカ政府が締結した国際的な人権条約を含む国際的な人権文書に示される市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利が十分に考慮されることが重要と考えます。
5.平和の構築に向けた意識啓発活動の重要性を認識すること
私たちは、スリランカのすべての住民が和平、復興開発のプロセスについての充分な情報を与えられること、ならびに異なる集団に属する人びとの間に寛容の精神と信頼が育まれることを強く望みます。その文脈において私たちは、国際社会がとりわけNGOによって実施されている平和に向けた信頼醸成、和解、人権に関する意識啓発のための試みを支援する必要性に十分な関心を払うことを期待します。
私たちは、今こそがスリランカに恒久的な平和をもたらす重要な時であると信じています。その強い認識にもとづいて、私たちもまた、スリランカの平和構築、復興開発に重大な関心を寄せる日本のNGOとしてその役割を存分に発揮し、スリランカの人びとに貢献していきたいと決意しています。
2003年6月8日
スリランカ復興開発NGOネットワーク*
Japan NGO Network for Reconstruction and Development of Sri Lanka
特定非営利活動法人 難民を助ける会
Association for Aid and Relief, Japan (AAR JAPAN)
特定非営利活動法人 ブリッジ エーシア ジャパン
Bridge Asia Japan
反差別国際運動
The International Movement Against All Forms of Discrimination and Racism (IMADR)
特定非営利活動法人 日本紛争予防センター
The Japan Center for Conflict Prevention (JCCP)
財団法人 オイスカ
OISCA-International
特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター
Pacific Asia Resource Center (PARC)
特定非営利活動法人 ワールド・ビジョン・ジャパン
World Vision Japan
*「スリランカ復興開発NGOネットワーク」は、スリランカの平和構築・復興開発に関する事業を実施中、あるいは具体的な事業を計画中のNGO団体によるゆるやかなネットワークです。
構成団体:(特非)アジア太平洋資料センター/(財)オイスカ/(特非)日本紛争予防センター/反差別国際運動(IMADR)/(特非)ブリッジ エーシア ジャパン/(特非)ワールド・ビジョン・ジャパン