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「移住と開発に関するグローバルフォーラム」(2007年7月、ベルギー)での共同声明

「移住と開発」に関するグローバル・フォーラムに出席している政府とNGOへのアピール

「移住と開発」に関するグローバル・フォーラム第1回会合の参加者に対し、国際社会は人身売買・密航など搾取的移住の悪影響から移住労働者を守る必要があることを訴える。

移住者の人権に関する国連特別報告者が指摘するように、「移住するというのは理性的で合理的な行動だ。人々は、よりよい生活ができる機会や場所を求めて移動する。また、移住問題は本質的に国際的な問題である。したがって、ひたすら自然移住の抑制を図ろうとする政策は必ずや失敗に終わる」。国際移住を国の経済発展に役立てようと追求する行為が、受入国による選択的な入国管理政策と結びつくと、それは熟練移住労働者の利益となる一方で、非正規移住労働者の不安全を増大させる。

このように、「移住と開発」に関するグローバル・フォーラムの議論の枠組みは現状では、「テロとの戦い」「犯罪組織との戦い」と結びついて、非正規移住者を予期しない有害な事態にさらし、移住者への搾取を増大させる可能性がある。私たちは、国際社会が、特別報告者の言う「自然移住」に関与しているすべての諸国民の人権、安全、発展を考慮することなしに、移住者送り出し国と受け入れ国の共同発展のみを目的とする国際的体制を構築することを阻止しなければならない。移住当事者不在の議論が行き着く先は、非熟練移住労働への規制強化により搾取的移住を助長し、インフォーマル・セクターへの管理強化により犯罪組織がさらに地下にもぐるのを助けること、ということになりかねない。このことをあらわす事例としてたとえば次のような事態が進行している。すなわち、送り出し国が移住女性に年齢制限を課す傾向が顕著になっているが、それにより移住労働女性が地下の国際的な密航組織につかまる危険性が増大したのである。

我々はフォーラム参加国に対し、次の指針を念頭に置かれるよう求めるが、これらはせいぜい、フォーラムが当事者を欠いていることを補う役にしか立たない。

1. ここにいるNGOの参加により、「南」出身の移住者コミュニティの人々の人権、人間の安全、人間開発が、国際的議論の中心となることを望む。その議論には 国連人権機構、とりわけ人権理事会とその特別手続き、ならびに人権高等弁務官の十分な参加が望まれる。送り出し国の政府と市民社会は、安全を脅かされている移住者、移住者予備軍、帰国した人々、なかでも搾取的移住と人身売買の被害者を教育できるようにならなければならない。

2. 我々は、国際社会における自然移住についての啓発に資することを目的として、自然移住(国境を越えた移住と国内移住の両方を含む。また女性や子どもをはじめとする最も弱い立場の人々の人身売買や密航)の多様な局面について詳細な調査を行なうための仕組みを、関連する地域機構の協力のもとに形成することを提案する。国連麻薬犯罪局(UNODC)が越境組織犯罪防止条約の実施のために情報収集を行なっていることについては評価できる。しかしながら、現状では越境組織犯罪の監視・管理・処罰に焦点が置かれている。UNODCと国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)との協力により、その射程を、移住当事者の人権と安全を保護し保障することへと広げるべきである。

3. 我々は国際社会に対し、国連社会権規約の第8条を想起させ、各国政府が、非正規移住者・人身売買された人・密航者も含むすべての移住労働者の、組織化への権利ならびに既存の労働組合に加入する権利を保障するよう、求める。同様に、受け入れ諸国における様ざまなディアスポラ・コミュニティに対し、同胞を支援する自助組織をつくるよう奨励するべきである。人身売買や密航の被害者を含む非正規移住者は、「不法滞在者」として扱われ、市民社会から排除されている。たとえば支援NGOや社会運動を通じて、彼らが適正な自己表現の手段を与えられるべきである。

4. 収容所からシェルターに至るまで、非正規移住者の安全と福利に影響を及ぼすあらゆる公的施設は、公衆の監視下に置かれるべきである。国際社会はグローバルな市民社会との協力のもと、透明なシステムをつくることが求められる。その際に市民社会は、非正規移住者(しばしば搾取的移住の被害者)が目的地国でどのような扱いを受けているかを報告する役割を担う。さまざまな公共機関や企業の職員・従業員がそれぞれどのような責任を負うか、公式に定めなければならない。国際犯罪組織への監視と処罰を補完するものとして、彼らも所属国および国際社会から制裁を受けるような仕組みが必要である。

5. 移住者の目的地国はディアスポラ・コミュニティの安全と福祉に対して全面的に責任を負い、移住者を自由貿易市場における労働力商品としてではなく、すべての基本的人権(そこには性と生殖への権利と、発展への権利も含まれている)を備えた人間として遇さなければならない。すべての国連加盟国は、移住労働者権利条約の批准をこれ以上、引き伸ばしてはならない。移住女性と移住者の子ども(とりわけ非正規の)は、女性差別撤廃条約、人種差別撤廃条約、子どもの権利条約、そして関連するすべてのILO条約に掲げられているあらゆる権利と自由を、すべての人と同じように保障されねばならない。

以上5点が、フォーラムに参加する政府とNGO代表によって、今回会合の議論に取り入れられるよう、あるいは少なくとも次回以降の会合において参加国が優先的に交渉すべき事項となるよう望む。我々は参加のNGOに対し、自然移住に巻き込まれている人々の人権、安全、発展を保障するため、上記各提言が採用されるよう共に取り組むことを呼びかける。そのことが、出身国と目的地国の双方において移住者の人権、安全、福利が保障されるような、公正で持続可能な国際移住の実現につながると信じる。

2007年7月
ベルギー・ブリュッセル

Asian Regional Exchange for New Alternatives (ARENA)
Asian Women's Human Rights Council (AWHRC)
Buhay Foundation for Women and the Girl Child-Philippines
Centre for Women's Health and Information (CEWHIN)
Coalition Against Trafficking in Women (CATW)-Argentina
International Alliance of Women
L' Association Aide aux Familles et Victimes des Migrations Clandestines (AFVMC)
Mujeres Trabajando
South Asia Forum for Human Rights (SAFHR)
Tamil Nadu Women's Forum
反差別国際運動(IMADR)
Third World Movement Against the Exploitation of Women (TW-MAE-W)
Women's Consortium of Nigeria (WOCON)
Women's Rehabilitation Centre (WOREC)

(原文英語、IMADR事務局仮訳)

 

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