2004年12月26日、スマトラ沖で起きた地震による大津波(インド洋大津波)が、インドネシアやタイ、スリランカやインド南部を含むアジア各地に甚大な被害をもたらしました。各国政府や国際機関・NGOが大規模な緊急救援を始めましたが、その前から、多くの活動家や草の根グループが立ち上がり、被災した人びととともに懸命の救援活動に取り組んでいました。
反差別国際運動(IMADR)も、スリランカやインドにおけるIMADRのパートナー団体に集う現地の人びと自身による救援・復興活動を支えようと、津波発生翌日から支援を呼びかけました。
津波被災から復興過程においてIMADRは、主に次の3つの問題点を確認してきました。
1)被災者のなかでも差別され社会的に排除されてきた人びとが、「いない」「いなかった」ことにされ、復興過程から取り残されていること、
2)現地の草の根グループが復興の「主体」となることを阻まれ、また、被災者が受け身の状態を強いられていること、
3)権力者や政府、軍が、災害復興を機に自らの権限拡大を優先し、外国から政府に流れ込んだ巨額の支援金が「人びと」には届いていないこと、などです。
これらの現状を踏まえ、人道支援・復興援助に取り組む団体ではないIMADR/IMADR-JCができることは何かを考え、以下の基本方針をもとに、一時的な活動としてではなく継続して支援を呼びかけてきました。
復興支援活動におけるIMADRの基本方針;
1.現地の活動家、草の根のグループによる救援・復興活動を支援する。
2.被災者のなかでも、差別され社会的に排除されてきた人びとを支援対象とする。
3.政府や国際機関による支援が、差別され社会的に排除されてきた人びとに届いているかどうか注視し、必要な改善をはたらきかける。
4.長期的支援・当事者による運動づくりのために、国境を越えた人・地域(コミュニティ)の出会いを広げる。
5.上記を実施するために、日本国内外において募金活動を行なう。
支援呼びかけ以来、本当に多くの団体・個人の皆さまから多大なご支援をお寄せ頂きました。この場を借りて改めて感謝申し上げます。皆さまからのご寄付によって、さまざまな活動がIMADRのパートナー団体を通じて実現されてきました。
これまでの主な活動;
スリランカでの活動
活動実施団体:IMADRアジア委員会(代表:ニマルカ・フェルナンドIMADR理事長)
IMADRアジア委員会に集う各地の草の根グループとともに以下の支援活動を継続し、被災したマイノリティ(とくに女性)への支援を通じてグループの組織化を進め、復興過程やその後の村づくりにおける女性の参加を促進してきました。
・内戦と津波で夫を失った少数民族のタミル人やムスリム(イスラム教徒)の女性への支援(衣類提供、住宅修繕・建設、生業支援)
・子どもの学生服や通学かばん、玩具、学用品の提供
・保育園、小学校の提供、運営支援
・生活補助の受給手続き・ID や死亡証明書等の発行手続きの支援
・スリランカ政府による救援・復興活動状況の監視・提言活動
インドでの活動
活動実施団体:農村教育開発協会(SRED)(代表:ブルナド・ファティマ・ナティサンIMADR理事)
被災したダリット(カースト制度下で「不可触民」として差別されてきた人びと)の人びとが復興過程から排除され取り残されていることを憂慮し、タミルナドゥ州沿岸9県/地区で以下の活動を行ないつつ、とりわけダリット女性の組織化を進め、復興過程やその後の村づくりへの参加の促進してきました。
・漁船(カトマラン)、漁業用の網の提供
・ダリットの村における被災住宅の修繕、農作業用の牛・ヤギなどの提供
・子どもへの学用品の配布
活動の成果、今後にむけて―ご協力のお願い
津波発生後、働く気持ちはあるもののその手段を失っていた女性たちに、ミシンや手押し車、ヤギなどが提供され、徐々に自分たちの力で生活を取り戻しつつあります。また、困難と向き合いながらも、村の意思決定に自らの代表者を送り出し、日常生活におけるさまざまな課題を要求としてとりまとめて改善を求めるなどの前向きな活動も見られます。
このように、人びとがIMADRの支援を通じて立ち上がり、より長期的な運動を組織化しつつある姿は、私たちに、「何のための国際連帯か」という問いへの答えを投げかけているようにも感じられます。人びとやメディアの関心は薄れ、忘れられていく一方で、「気にかける」ことを続け、人と人、地域と地域を結ぶ活動を続けていきたいと考えています。
関心を持ち続けることが、スリランカやインドで奮闘している人びとにとって大きな励みとなります。生活再建から長期的な運動への発展を今後も継続して支えていけるよう、皆さまのご協力をお願いいたします。
◆募金振込先
郵便振替の場合:
口座:00130-8-357095
加入者名:反差別国際運動(IMADR)
*通信欄に「スリランカ・インド救援」とご記入ください。
銀行振込の場合:
三菱東京UFJ銀行 六本木支店(店番号:045)
普通口座番号:4891417
口座名:反差別国際運動(IMADR)代表 ニマルカ・フェルナンド(ハンサベツコクサイウンドウ アイエムエイデイ-ア-ル ダイヒヨウ ニマルカ フエルナンド)
*銀行振込の場合は、お手数ですが振込後にご一報ください。
◆お問い合せ先:反差別国際運動(IMADR)事務局
2007年08月30日