人種差別撤廃委員会 日本審査行なわれる

日本が加入している人種差別撤廃条約の実施状況の審査が、2010年2月24日午後と25日午前、ジュネーブの人種差別撤廃委員会(CERD)により行われました。

日本からはマイノリティのコミュニティ、移住者のネットワーク、IMADRなどの代表13人が審査を傍聴しました。18人からなる日本政府代表の報告に対し、CERD委員から日本における人種差別の問題と政府の対応について厳しい質問やコメントが出されました。日本政府への勧告を含む総括的な所見は3月12日にはCERDより発表される予定です。国連人権高等弁務官事務所は速報として日本審査の内容の概略を公表しています。その冒頭部分を仮訳しましたので、ここにご紹介します。

国連ジュネーブオフィス
News & Media
2010年2月25日

(冒頭のみ仮訳)

人種差別撤廃委員会は日本の第3回から第6回の合同報告書を基に同国内で条約がどのように実施されているのかを審査した。

外務省の人権人道大使である上田秀明氏が報告を行い、日本はアイヌ民族の人権尊重を柱にした包括的政策を確立するために積極的に取り組んでいると述べた。政府はアイヌ民族を先住民族として認め、アイヌ民族からの代表一人を含むアイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会を設置した。2009年8月の有識者懇談会の勧告に続き、政府は総合的なアイヌ政策策定のためにアイヌ総合政策室を開設したと述べた。さらに、法務省人権擁護局は人権尊重の意識高揚の活動を拡大および強化した。グローバル化の時代にふさわしく、外国人に対する差別偏見をなくし、多様な文化、宗教、ライフスタイル、習慣への寛容と尊重の態度を促進することを目指した人権意識高揚の活動を行った、と上田大使は述べた。

暫定的な総括所見を述べる中で、日本報告の特別報告者であるパトリック・ソーンベリー氏は、人道的見地からの人種差別撤廃の重要性とそれを保障するための教育の重要性など、一部分においては日本政府と委員会の間に幅広い合意があると留意した。また、アイヌ民族の地位と国内人権機関創設に関する動きの方向性に関しても合意があったとした。しかし、部落民の問題と日本政府の“世系”の解釈など、委員会の懸念する分野が残されたままとなっている。委員会は人種差別に関する法律、憎悪発言の規制、人権侵害救済の必要性、人権教育および人種差別と不寛容に対処するための一般市民の啓発、日本人以外の人びとと接触する職務につく公務員および公務員全般への教育の必要性を主張した。

日本代表との2日間にわたる審議の中で委員からいくつもの質問と問題点が挙げられた。それらには、外国籍者として日本に残り国籍を得ることができなかった在日コリアンの状況、教育政策が外国人の子どもたちに及ぼす影響に関するさらなる情報、インターネット上を含む外国人嫌悪や人種主義の動きをモニターするメカニズムの存在の有無などがあった。日本は部落民の代表との協議の場を組織するよう促された。その流れより、各委員は、“世系”問題をさらに解決する必要性についてソーンベリー特別報告者が表明した懸念に賛成の意を表明した。日本代表団にはアイヌ総合政策室、法務省、文部科学省、厚生労働省、在ジュネーブ国連日本代表部からの代表も含まれていた。


全文(英語)はこちらでご覧になれます。

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2010年03月01日

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