首都コロンボからのタミル人追放停止を求める(マヒンダ・ラジャパクサ大統領への共同公開書簡)

スリランカ民主社会主義共和国
マヒンダ・ラジャパクサ大統領閣下

拝啓

首都コロンボの多くの地区からタミル人が追放されているという知らせが届いた2007年6月7日の朝、私たちの団体のメンバーはウェレワッティ、ペッタ、ペリヤゴダ地区を訪れ、今回の追放と警察によって直接被害を受けた人びとから話を聞きました。このタミル人追放の発端は、タミル人は正当な理由なしにコロンボに留まることはできないという、6月1日に警視総監が発表した声明でした。伝えられるところによると、下宿屋の所有者は警察当局から、正当な理由がなくコロンボに滞在しているタミル人に住まいを与えないようにという指示を受けており、北部、東部よりペッタ地区に移り住んでいたタミル人は5月31日に強制的に立ち退かされました。

私たちが得た情報によると、住民の大多数がタミル人を占める下宿屋にて警察や軍による捜査が早朝に始められ、住民であるタミル人が立ち退かされたとのことです。目撃者からの情報によれば、捜査に関わった者の多くは地元の警察所の警察官ではなかったということでした。

さまざまな理由によりコロンボに住んでいた北部、東部出身の何百人ものタミル人は強制的にバスに乗せられ、ペリヤゴダに連れて行かれました。ペリヤゴダの警察官は、少なくとも約50人が乗ったバス8台がペリヤゴダを出発したと伝えています。警視総監は国会で会議を行なっていた同政党の指導者に対して、バス6台がヴァウニアに、1台がバティカロアに、さらにもう1台がトリンコマリにそれぞれ出発したと発表したことを私たちは聞きました。ウェレワッティ警察所は、約60人の乗ったバス3台がトリンコマリにむけて出発し、それらのタミル人は船でジャフナに送り返されることになると朝8時半に発表しました。同警察所は後に、送り返されたタミル人の数を83名と発表したものの、現時点(6月7日)で追放された人びとの名前、正確な人数は確認されていません。

多くの下宿屋の支配人、依然として留まっている住人それぞれが、私たちに次のようにうったえてきました。追放された人びとは荷造りをする時間として1時間半弱しか与えられず、下宿屋の目の前に駐車されていた国営バスに乗せられていったこと、さらに人びとは「故郷に返す準備が整った」という以外に、正確な行き先は伝えられなかったことなどです。

どのタミル人を追放するかの基準は警察当局、軍の独断的な判断によるようです。コロンボに下宿していたタミル人で正当な理由があってコロンボに住んでいると説明できた場合でも、永住市民ではないのだからコロンボに住む権利はなく、出て行くようにと言われています。ウェレワッティ警察所の高い役職に就いている警察官によると、どのタミル人を彼らの故郷に返すかを決める判断基準は以下の通りです。故郷に帰りたくても金銭的に困難な人、コロンボに留まる理由を納得のいくように説明できない人、身の危険を感じてコロンボに留まっている人びと、です。

警察当局は、タミル人が故郷に帰る手助けをしているだけであると主張しました。捜査からタミル人は自分たちの故郷に帰りたがっているということが明らかになったとも主張しています。しかし、住民、下宿屋経営者、従業員、目撃者からの情報はそれらの主張とは相反しています。健康上問題があるためにコロンボに滞在していたタミル人、または長時間の移動ができない健康状態の人びとも強制的に立ち退かされているからです。

私たちはコロンボ市内の治安が悪化しているという現状、ならびに厳重な監視体制の必要性を強く認識しています。しかし、人権擁護者としての活動へと駆り立ててきた基本的人権原則の見地に立った場合、上に述べたようなタミル人追放などでは市民の安全を確保することはできないと確信しています。そればかりか、この島国を共有する、異なる民族コミュニティをさらに二極化させ、主流から取り残されているというタミル人が抱く疎外感をさらに高めるだけなのです。

私たちはスリランカ憲法に掲げられている原則が、すべてのスリランカ人の住む場所(一時的でも、永久的でも)を選ぶ権利、移住する権利を保障しているということを再確認したいと思います。さらに今日、コロンボでタミル人に対して行なわれている行為は同原則に反する目に余る暴力であり、基本的人権に反するものであるということも主張します。

私たちは、国家の元首である大統領にすべての可能な対策を講じてこの行為を即刻停止せるように求め、この行為によって追放されたタミル人に対して、コロンボへ帰る手段を提供するよう求めます。

敬具

Center for Human Rights and Development(CHRD)
Center for Policy Alternatives (CPA)
Free Media Movement (FMM)
INFORM Human Rights Documentation Center (INFORM)
Institute of Human Rights (IHR)
反差別国際運動(IMADR)
Law & Society Trust (LST)
Right Now (RN)

2007年6月7日

(翻訳:IMADR事務局)

2007年06月07日

 

メールマガジン

  • メールマガジン「IMADRインフォメーション」

 
    
メールマガジンは「まぐまぐ!」のシステムを利用して配信されます。