世界には、国民国家や市民社会のマジョリティ(多数派、支配層)である集団とは異なる文化や歴史、言語、宗教、ルーツ(民族的出身や門地などの出自も含む)を持つ集団が存在しています。IMADRは、その背景や属性によって、さまざまな権利(市民的・政治的および経済的・社会的・文化的権利)が十分に保障されていない、または奪われてきた集団とその集団に属する人びとを「マイノリティ」と捉えています。単に数的な「少数者」という意味ではなく、また、民族的・宗教的・言語的マイノリティのみに限定せず、「社会において抑圧され周縁化されている」という属性に重点をおき、広い意味でとらえています。
マイノリティの権利は、国連が採択した人権条約などで定められています。しかし近年、国際社会が合意のもとに取り決めてきたこれらの権利や多文化共生の実現とは逆行した流れにあります。とくに「9.11」以降、平和や安全保障、「テロ対策」の名の下で、「異質」だと思われる人びとに対する徹底した管理、排除の体制が着々と強化されています。
このような状況のなかでIMADRは、マイノリティの存在が認められ、権利が保障された、真の多民族・多文化共生社会を実現するために、草の根・国内・国際レベルにおいて活動しています。各地のマイノリティ当事者組織やパートナー団体とともに、マイノリティの人びと自身の声を各国政府や国際社会に対して届け、差別の被害者を救済し再発防止のための新たな制度づくりを求めています。

