気候変動と先住民族に関する「アンカレッジ宣言」2009

IMADRではこのほど、市民外交センターと共同で、気候変動と先住民族に関する「アンカレッジ宣言」の日本語訳を作成しました。

PDF版がこちら[PDF188kb]からダウンロードできます。


cc.ip.summit.JPG

同宣言は、2009年4月20-24日に米国アラスカ州アンカレッジで開かれた「気候変動に関する先住民族世界サミット」(=写真※)の最終日に採択されたものです。

イヌイット周極会議が主催し、国連大学をはじめ国連関係機関や多くの財団などの協力や協賛・後援のもとに開催された同サミットには、世界各地から約80の民族を代表して400人あまりが参加、日本からも北海道アイヌ協会副理事長の阿部ユポさんが出席しました(IMADR事務局スタッフが通訳として同行)。

自然との密接なつながりをもって生活を営む先住民族にとって、地球温暖化をはじめとする気候変動は、その生活基盤を脅かす重大な問題です。そのようなことから気候変動については生物多様性の問題とともに先住民族の間で議論が活発化しています。世界サミットは、先住民族が気候変動を正面から取り上げた初めての国際会議で、その目的は、先住民族が気候変動にかかわる経験や知識を分かち合い、先住民族としての提言をまとめ、今年12月にデンマーク・コペンハーゲンで開かれる気候変動枠組条約の第15回締約国会議(COP15)に意見反映させることでした。

会議では、各地で先住民族コミュニティが具体的にどのような気候変動の影響を受けているかが報告されると共に、その対応策や緩和策自体が先住民族を脅かす場合もあることが繰り返し語られました。そして、そうした事態を解決していくために、気候変動枠組条約の実施メカニズムは国連の先住民族権利宣言を踏まえ、そこへの先住民族の参画を保障すること。気候変動対策の実施に際し、先住民族の「自由で事前の説明に基づく同意」(FPIC)の原則を踏まえるべきこと。そのために先住民族自身とくに若者と女性の能力向上が必要なこと――などが確認されました。そして、先住民族が受け継いできた「伝統的知識」を気候変動対策に生かすことの重要性が指摘されました。こうした諸点は、各国への化石燃料依存からの脱却と温室効果ガス排出削減の呼びかけとともに「アンカレッジ宣言」に盛り込まれました。

宣言は、前文と、COP15、気候変動枠組条約の締約国をはじめ各国政府、国連諸機関などへの14項目の呼びかけからなっています。同宣言の英・西・仏・ロシア語版を含む関連情報は、気候変動に関する先住民族世界サミットのウェブサイト(外部リンク、英文)でご覧になれます。


【※写真説明=来賓として演説したセスペデス・ボリビア外務大臣(左から2人目)とブロックマン国連総会議長(同3人目)。左端はサミット議長を務めたイヌイット周極会議のパトリシア・コクラン議長】

2009年07月22日

 

メールマガジン

  • メールマガジン「IMADRインフォメーション」

 
    
メールマガジンは「まぐまぐ!」のシステムを利用して配信されます。