アイヌ民族が日本の先住民族として公式に認められたことに対するロドルフォ・スターベンハーゲン前先住民族の権利に関する国連特別報告者の声明

IMADR理事でもあるロドルフォ・スターベンハーゲン前「先住民族の権利に関する国連特別報告者」が、アイヌ民族が日本の先住民族として公式に認められたことに対する声明を発表しました。

以下、その全文です。

アイヌ民族が日本の先住民族として公式に認められたことに対する
ロドルフォ・スターベンハーゲン前先住民族の権利に関する国連特別報告者の声明

2008年12月30日

2007年9月、国連総会は「先住民族の権利に関する国連宣言」を厳かに公布しました。人権理事会(および前身の国連人権委員会――訳注)において20年以上をかけて作成されたものです。これは人権の国際的保護における重要な前進であるのはもちろん、世界中のすべての先住民族にとって大きな勝利です。宣言の草稿が議論されていた二十数年間、世界中の多くの先住民族の代表がジュネーブにやって来て、自らの見解を提示し、長らく無視され頻繁に侵害されてきた自分たちの権利を認めるよう世界の外交官に働きかけました。それらのグループの中には時折日本のアイヌの人びとも見受けられました。彼(女)らは、自分たちが置かれている状況を世界中に知らせ、先住民族としての権利の全面的な承認を主張するためにやって来ていました。長い間日本政府は、アイヌを先住民族として法的に認めてきませんでした。アイヌ民族が19世紀にいかにして征服され大日本帝国に取り込まれていったか、日本の多くの人びとが知っていたにもかかわらずです。

北海道のアイヌ民族はその近代史を通してずっと、南からの入植者に土地や資源をとりあげられ、その言語や文化的風習も禁止されてきました。そのようにして彼(女)らの文化の多くが破壊されたのです。ここ数十年は日本の公的機関がアイヌの文化遺産や芸術を国の文化の一部として保存、保護しようと努めてきました。しかし、日本という国家における固有の民族としてのアイヌの権利はこれまで公式には承認されてこなかったのです。私が「先住民族の人権状況と基本的自由に関する国連特別報告者」を務めていた時、IMADRと北海道ウタリ協会の仲介により、2002年に北海道のアイヌのコミュニティを訪問する機会がありました。そこで私は彼(女)らが置かれている状況、彼(女)らのニーズや願いについて知らされました。私は日本の先住民族としてのアイヌの権利は法的に保護されるべきであると確信して帰途につき、このことを国連人権委員会への年次報告書で報告しました。

さて、「先住民族の権利に関する国連宣言」の採択をもって状況は変わりはじめました。私は、2008年6月に国会がアイヌ民族を日本の先住民族として認める決議案を可決し、日本政府がその決議を遵守する意志を宣言したことを、嬉しく思います。これはずっと以前に起こるべきことであったとはいえ、歴史上の不正義を是正するのに遅すぎることはありません。アイヌの人びとにとって国会の決定は、歴史的に差別されてきた固有の民族としての集団的権利の遅まきながらの承認です。国会の決議と政府の対応は、21世紀初頭に日本が迎えた多文化社会にアイヌの人びとが全面的に参加する可能性を新たに拓くでしょう。アイヌの人びとと日本のすべての人びとに対し、心からの祝福を送ります。

(原文:英語、IMADR訳)

2009年01月22日

 

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