タミルナドゥ・ダリット女性運動(TNDWM)による緊急アピール

IMADR がともに活動しているインドの「タミルナドゥ・ダリット女性運動」(TNDWM)から、ダリット女性の冤罪に対して公的な裁判手続きなども経ずに上位カーストが制裁を科している事件について、緊急アピールが寄せられました。ご紹介するとともに、インドで繰り返されるダリットへの暴力に対し世界各地から抗議の声を届けるよう、ご協力を呼びかけます。

--------------------------------------------------------------------------------
インド・タミルナドゥ州、クールマヴィラサプラム村に住む45歳のダリット女性であるラクシュミは、自助グループのメンバーです。彼女は、幸運にも1エーカーの可耕地だけでなく、家も所有しています。2007年9月19日の午後9時、彼女はグループのミーティングに出席するために、別の村から自分の村に戻りました。グループのリーダーであるギリジャは、いつもどおりラクシュミの貯蓄金を回収しました。しかしその直後に、ラクシュミは村の子牛を盗んだと非難されました。ラクシュミは一切の関わりを否定したにもかかわらず、彼女に盗みの容疑がかけられました。ギリジャは彼女を、「カッタ・パンチャーヤト」(KP)と呼ばれる非公式な村の会合がなされていた、上位カーストの村へ連れていきました。KPは、ほとんどの場合において、女性に屈辱を与えたり、ひどく殴りつけたりするとして、タミルナドゥ州では法律により禁じられています。KPへ送られた女性の多くは、村人の前でひざまずかせられ、柱へ縛りつけられたりします。

翌日、ラクシュミは寺院に連れていかれ、皆の前で屈辱を受け、罪を自供するよう強要されました。ラクシュミは、盗みについて何度も何度も否定し、彼女の夫はKPの前で、自分たちは子牛がいなくなったことについて本当に何も知らないのだと説明しました。しかし、KPは彼女らに耳を傾けることさえもしませんでした。絶え間ない辱めと、それに連なるののしりが続いたため、ラクシュミは自殺まで図ろうとしました―― 3回も首を吊ろうとしたのです。同月23日、ラクシュミに屈辱を与える目的だけのためにKPが開かれ、彼女は夫、姉とともに自助グループの建物のなかに監禁されました。

ラクシュミは、釈放してくれるよう皆に懇願しました。3人はひどく苦しみました。ラクシュミは胸部に痛みを感じたので、薬を手に入れるために外出できるよう頼みました。彼女は、監禁している建物に連れ戻す4人の監視人をともなって、自宅から必要な錠剤を取りにいくのを許されただけでした。10人以上が建物を監視し、ラクシュミと彼女の家族はそこから抜け出すことができませんでした。24日、再びKPが開かれ、ラクシュミは1万2,000ルピーの賠償金を支払うよう求められました。のちに、その額は6,000ルピーに減額されましたが、彼女が支払わない場合、所有している土地を手放すよう脅されました。また彼女は、村からの社会的ボイコット――つまり飲み水を得ることを拒まれ、村の店で買い物をすることもできず、仕事も阻まれる――に遭うだろう、自分の村で住むことも許されない、と警告されました。

彼女は、タミルナドゥ・ダリット女性運動(TNDWM)の支援を受けて、この事件を警察に訴えました。しかし地元の警察は、KPに出席した地主を含む村人や自助グループのリーダーとも手を組み、この事件への対応を避けています。ラクシュミと農村女性解放運動やTNDWMなどの女性運動団体は、この事件について正義を求めており、以下のことを求める要請行動を行なっています。

・ ラクシュミ、その夫、姉を自助グループの部屋に監禁した者たちへの緊急処置
・ KPメンバーと共謀し、本件への処置を怠った地元の副検察官への緊急処置
・ ラクシュミの社会的ボイコットをおこなったKPリーダーたちへの処罰
・ ラクシュミの自殺企図を誘発したKPリーダーたちへの処罰
・ 子牛を盗んだと非難することで、ラクシュミに屈辱を与えたKPリーダーたちへの処罰


◆手紙を送って抗議の声を届けてください!

要請書をインド関係当局に送付することでアピール活動に参加できます。
要請書サンプル(PDF14KB)に下記の項目をご記入頂き、ファックスまたは郵送にて送付してください。

記入事項;
・ 日付:Dateの欄に記入日を入れてください(記入日が2008年1月2日の場合、02/01/2008)
・ 署名:Signatureの欄にローマ字でお名前をご記入ください。

送付先;
M. Karunanidhi
Chief Minister of Tamil Nadu

St. George Fort,
Chennai – 600 009.
INDIA
FAX: + 91(44)2567 2304

--------------------------------------------------------------------------------
<要請書サンプルの要約>
日付   
タミルナドゥ州首相M. Karunanidhi様

私は、タミルナドゥ州クールマヴィラサプラム村でおきた事件―ダリット女性の冤罪に対して同州法によって禁じられている方法によって制裁が科され、地元警察がこの事件に真摯に対応していないこと―について憂慮を表明するものです。

2007年9月19日、インド・タミルナドゥ州クールマヴィラサプラム村に住む45歳のダリット女性であるラクシュミは、自助グループのミーティングに出席するために、自分の村に戻ったところ、自助グループのリーダーから村の子牛を盗んだと非難されました。ラクシュミは一切の関わりを否定したにもかかわらず、彼女に盗みの容疑がかけられ、上位カーストの村で開かれていた「カッタ・パンチャーヤト」(KP)に連れて行かれ、罪を自供するよう強要されました。

タミルナドゥ州法によって禁じられている慣習であるKPによって、ラクシュミは、絶え間ない辱めとののりしりを受け、自殺までしようとしました。その後もKPは、夫と姉とともにラクシュミを監禁し、賠償金の支払いを求め、支払わない場合は所有している土地を手放すよう脅しました。さらには、今後社会的ボイコットを村人から受けるとして自分の村で住むことも許されない、と警告しています。

ラクシュミは、人権団体の支援を受けてこの事件を警察にうったえましたが、地元の警察はこの事件への対応を避けています。

私は、このような状況について深い憂慮を表明するとともに、以下の点について要請致します。

1. 本件がとくに司法機関などの関係当局が適切に対応し、違法行為をおかした人物が処罰されるよう立件することを求めます。また、国連の人種差別撤廃委員会による一般的勧告31を踏まえ、ダリット女性による訴えを無視するなど、刑事司法手続きにおいていかなる差別も許されないことも強調します。
2. KP禁止法など人権保護のための地方レベルの法規が、必要な対策をもって適切に実施されるよう確保することを要請します。

署名        

2008年01月11日

IMADRの活動テーマ

 

メールマガジン

  • メールマガジン「IMADRインフォメーション」

 
    
メールマガジンは「まぐまぐ!」のシステムを利用して配信されます。