世界には、職業や世系(門地/社会的出自)によって差別されている人びとが、約2億6000万人いるといわれています。この形態の差別の主な特徴や基盤となっているのは、世系(出生によって決まる帰属関係)、職業(職能的専門または職業の性質や社会における機能的役割との関連性)、そして、浄と不浄(穢れ)の概念です。深刻に被害を受けているのは、インド、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、パキスタンなど南アジアにおけるダリット(「不可触民」として知られてきた)や、日本の被差別部落の人びと、さらに西アフリカの「カーストの人びと」やその他アフリカ各国における様々なコミュニティにいる人びとです。また、このようなカースト差別は、インドから移住した人びとによって形成されたコミュニティ(ヨーロッパなど)においても存在しています。
いくつかの政府―とりわけインド政府や日本政府は、これらの差別の解決にむけて、憲法や法律、行政措置を整備してきました。しかし、これらの措置の多くは、十分実施されておらず、また慣習的な効果を十分発揮できていないという状況です。そして、これらの集団に属する多くの人びとは、日々の生活において、差別や社会的排除を経験し続けています。

